このサイトに掲載されている注文住宅は、全て建築家甲村健一の設計した住宅です。

自然素材と工業製品の家づくり

　現代の私たちは多くの工業製品に囲まれながら生活を営んでいます。例えば建物を支えるコンクリートから、私たちの体を包んでいるビニール系素材まで、種類や大きさは様々です。これら工業製品の利点は、ある特定のものを均質かつ大量に生産・供給できることにあり、戦後日本の経済を大きく飛躍させた立役者でもあります。しかしその一方で工業製品がもつ非身体的で温かみの無いその表情や感触に、何らかの違和感を覚えるのも確かです。 どこか冷たく、無表情な印象をうけることが多いものです。家づくりにおいて、安いからと言って工業製品だけをつかうと、どこか殺風景な空間になりがちです。そこで、木の無垢材や自然素材を用いることで、空間の温かみは劇的に変化します。多少のコストアップはありますが、注文住宅だからこそできる木の家や、建築家だからこその間取りを見てみませんか。
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豊かで楽しい生活環境

　それに対して日本人が古来から愛用してきた木や石などの「自然素材」は不安定で加工がしにくく大量生産には向かない材料です。しかしその不揃いな材料がもつ、天然の表情や質感・感触に親近感を覚え、工業製品には無い「温かみ」を感じることも確かだといえるでしょう。高性能な工業製品に囲まれた生活は確かに楽かもしれませんが、自然素材はそこにはない、豊かで楽しい生活環境を私たちに与えてくれると我々は思っています。

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無垢フローリング

最初は、最も身近な建築材料であるフローリングからご紹介したいと思います。「フローリング＝本物の木」というのが一般的なイメージとしてあると思いますが、現在一般に流通しているフローリングのの多くは、タイトルにある「無垢フローリング」よりも「合板フローリング」と呼ばれるものが多いです。この「合板フローリング」とは、フローリング材の芯がベニヤ板でできており、その表にあらわれる表面部分にだけ本物の木もしくは本物の木を真似たプラスチック板を貼ったものです。「合板フローリング」のほうが製品の安定性や経済性の点では確かに有利ですが、普段の生活のなかで肌の接する時間がもっとも長いところなので、温かみのある「無垢フローリング」のほうをお勧めします。

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ダイナミックな木目

「無垢フローリング」はその温かみのある感触も魅力ですが、それと同時に工業製品にはないランダムでダイナミックな木目の表情もその魅力のひとつです。一般的によくみるフローリングは「ウォールナット（＝くるみ）」という樹種で、衝撃に強く、重厚な雰囲気をもったものです。そのほかにも多くの素材が存在が存在し、さきほどのものよりもさらに大胆な柄をもった樹種もあります。

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一つとして同じ柄のないもの

石は主に床材や壁材として使われます。石によく似たものとしてタイルがありますが、タイルとの大きな違いは、天然のものなのでひとつとして同じ柄のものがないということです。またその種類も豊富で、例えば一概に「大理石」といってもその中には大きく柄の入ったものから柄の無いもの、白色から黒色、など様々です。これに加えてさらに表面の仕上げ処理にも数種類あり、艶のあるツルツルした表情となる「本磨き仕上げ」や、床が濡れていても滑らないような粗面に仕上げの「バーナー仕上げ」など用途や場所に合わせて選択します。石のデメリットとしては、石種にもよりますがこまめなケアが必要となる場合があります。ただ、このような手間をかけるだけの価値は十分にあると思います。
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味わい深い表情

土壁・塗壁は主に壁・天井材として使われます。色は白～茶色の淡い色が標準的ですが、黒などの濃い色も特注色で製作してくれるメーカーもあります。また表面の模様は、乾いて固まる前の材料にコテやクシなどを使って職人さんが描いていきますので、どれも手作業の跡が残る味わい深い表情になります。また右下の写真のように、ワラなどを混入させた製品もあります。性能面に関しては製品によって様々ですが、調湿作用や消臭効果などをもった製品もあります。

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竹の豊かな表情

竹の豊かな表情。竹は木とおなじような性質をもつのでフローリングなどに加工された製品がありますが、竹そのものの姿で使用する場合は天井材や装飾材として使用されます。和風の材料なので特に和風建築や和室などで使用されることが多いです。色合いは右写真のように淡いものから濃いものまであり、太さも同等に様々です。また一本一本節や幹の太さが異なるため、不均質で味わい深い表情を醸し出してくれる素材です。

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自由度の高い建築材料

「木」に関しては建物の中の使用される箇所（柱などの構造体、建具などの造作材など）によって樹種は異なります。ここでは仕上げ材として使われる木についてご紹介します。木は木目の形状や香りなど樹種によって様々です。これに加え保護塗料を塗ると色合いは自由に決めることができます。さらに住宅の場合は大工さんが自由に加工できる材料なので、さまざまな形状に変化させることができます。日本人にとっては最も身近でかつ自由度の高い建築材料と言えるでしょう。

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美しい自然素材

漆喰は石灰、珪藻土は藻類の死骸が堆積してできた粘土状の土が原料となっており、調湿性・防火性に優れた自然素材です。古くは白く平滑な仕上げが主流でしたが、現在では色も表面模様も多種様々なようです。
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和の表現

和紙は古くから一枚一枚職人さんが手作りで仕上げた一品物で、どれひとつとして同じ柄のない、手仕事の痕跡を残した暖かみのある素材です。種類は様々で、右写真にあるような、植物の繊維そのままの和紙や、染料を混入させ色のついたもの、シワの入ったものなど、どれも不思議な魅力をもったものばかりです。建物で使用する場合も、壁紙の代わりや、その光の透過性を利用した照明など様々です。

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